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オススメの理由

ハーブにしてはお手頃な価格

もう20年ほども前のこと、当時、私が普段使っていたアロマテラピー用のペパーミントの精油(エッセンシャルオイル)は、たったの3~5㎖の小瓶が600~1000円ほどもしていた。

ある日、薬局へ出かけたら、棚の目立たない隅っこに、ひっそりと置かれていた「はっか油」を見つけた。
高級な香水に用いられるバラはオレンジの花などの貴重な精油にくらべれば、はっかのように、雑草みたいにどんどん育つハーブから採れる精油は手頃なものもあるけれど、それにしても、このはっか油、大丈夫なのかな、という思いが一瞬頭をよぎった。
20㎖ 350円。今からずいぶん前のこととはいえ、当時もこの値段の古風さに驚いた。
もしこれが思う通りに使えたら、思いがけない幸運であると、包んでもらった。
呼吸を整えながらそうっと鼻を近づけてみる。そして目を閉じると、ああ、この頭の中がサーっと晴れていく感じは、やっぱりミントの仲間だ。西洋種のペパーミントやスペアミントに比べると甘さが控えめで、どこかキリリとした爽やかさがある。
これならまちがいなく、今まで使っていたペパーミントの精油に変えて、どんなふうにも使えそうだと思ったら、うれしかった。

「ミント」の効用

アロマテラピーでよく使われるのは、西洋種のミントであるペーミント、またはスペアミントだ。考え事や猛烈な忙しさで頭や体が疲れ切ったとき、その精油の香りを、そうっと吸い込むだけで、主要成分のメントールやカルボンが脳の中枢神経に働きかけ、緊張や興奮を沈め、気分を楽にしてくれるのだ。

梅雨時の混んだ電車やバスに足を踏み入れたとたん、蒸れた空気と汗やほこりのしみこんだ衣類、整髪剤などが混ざり合った臭いに、うっと息がつまることもある。
そんなときは、大急ぎでバッグのポケットから小さな精油びんを引っ張り出し、そっとふたを開けるだけで、素早く気分を変えられる。悪臭だけでなく「芳香」というものがあることは天の助け。つくづくありがたい。
ミントの精油は、昔から緊張性片頭痛や二日酔いの後の頭痛、吐き気や乗り物酔いを緩和させるためにもよく使われる。
強い香水の香りに眉をひそめる人は多いが、天然のミントの香りをいやがる人はまずないので、外で扱うにも安心だ。
風邪の頭痛や喉の痛み、鼻づまりなどの症状をやわらげることができる。お湯に精油を垂らして空気中に香りを拡散させたり、部屋の香りをリフレッシュするためにスプレーを作って、消臭剤や芳香剤として使ったりということもできる。

とっても広い「ミント」の使い途

ペパーミントの精油の使い方を覚え、その気持ちよさにはまって、いろいろ工夫をし始めてから数年で、我が家から常備薬や、歯磨き、押し入れの虫よけなど、それまであたりまえのように買っていた市販品が次々と魔法をかけたように無くなりつつあった。

ただ、もっともっと可能性を試してみたいのに、アロマテラピー用のペパーミントの精油は、家の中で心置きなく使い回すには、それほどお手頃とは言えないのが、玉にきずだった。
このハッカ油ならたっぷり使えてありがたい。しかも勇んで調べてみると、主要有効成分のメントールの含有量は、和種のはっかの方が、ペパーミントより多いというのだ。

ハワイ島で手に入れた、1900年代にアメリカ中で病院や薬局で標準的に備え付けられていた専門書は、私の「虎の巻」となってくれた。化学薬品全盛時代に突入する少し以前の調剤の手引きなので、その材料は、天然のオイルや精油、薬草、ハーブ、鉱物などが多い。ヨーロッパの主だった国々の薬局方からも、数多く引用されている。